業務用エアコンは、家庭用エアコンに比べて専門性の高い製品。購入検討時には、聞き慣れない言葉やスペックに遭遇することもあるかもしれません。
「動力」や「三相」といった言葉もそのひとつ。そこで、業務用エアコンの購入検討時によく出てくる、これらの言葉の意味や、「動力」のメリットなどを解説していきます。
POINT
- 電気には、業務用として使われる「動力」と
家庭用として使われる「電力」の2種類がある。 - 動力を使うには、専用の電力プランへの契約が必要。
- 「動力」用の電力プランは家庭用のプランより電気代が割安。
電気には、業務用として使われる「動力」と
家庭用として使われる「電力」の2種類がある。
実は、電気には「動力」と「電力」の2種類があることをご存じですか︖
一般的に、家庭用エアコンで使用されているのは「電力」。一方「動力」は、店舗・オフィス・工場などに設置された業務用エアコンで使われています。
業務用エアコンのカタログで「三相200V」と書かれたスペックを目にしたことはありませんか︖これが「動力」にあたります。
「動力」は「三相」という電気の送り方になっており、少ない電流で大きな電気を届けることができるのが最大の特長です。ですから、家庭に比べて冷房・暖房時の負荷がかかりやすく、より空調パワーが求められる業務用用途では「動力」タイプがよく採用されます。
これに対して家庭用エアコンなどで使われている「電力」では、「三相」ではなく「単相」という電気の送り方になります。
「動力・三相」のエアコン電源は、よりパワフルな200Vだけなのに対し、単相のエアコンでは100Vと200Vのタイプがあります。家庭用のマルチエアコンは単相200Vの電源が使用されます。
業務用エアコンには
「単相200V」の製品もある
業務用エアコンには「単相200V」の製品もあり、全てが「三相200V」というわけではありませんので、空間に合った方を選ぶようにしてください。
たとえば、「空間が広い」「熱を発するものがある」「多くの人が集まる」など空調に負荷がかかる場合は「三相200V」を選び、空間が小さく空調負荷がかかる要因も特にない場合は「単相200V」を選ぶとよいでしょう。
たとえばカタログのS-ラウンドフロー
センシングタイプ〉のスペックでは...
単相の場合は対応できるのが3馬力までなのに対し、三相の場合はより大きな馬力にも対応できる、といった違いもあります。ですので、空調能力を高めるために大きな馬力が必要な場合は、必然的に三相タイプという選択肢になります。
「動力」で電気を使うには、専用プランの契約が必要。
各電力会社のホームページなどに書かれている電力プランで、「低圧電力」となっているのが「動力」向けのプラン。わかりやすく「動力プラン」となっている場合もあります。「動力」を使うには、この「低圧電力」への契約が必要です。
電力会社ごとにお得なプランが用意されていることもあるので、一度チェックしてみてください。低圧電力の申し込み手続きは、各電力会社のホームページから行える場合もあるので、併せてご確認ください。
「動力」用の電力プランは
家庭用のプランより電気代が割安。
「業務用空間で使うための電力プラン」と聞くと、「電気代が高そう」と心配になる方もおられるかもしれません。
でも実は、一般的な家庭用の電力プランに比べると、消費電力量1kWhあたりの電気代は安く設定されています。
たとえば、東京電力の電気料金(2021年1月現在)の例でみると、以下のようになっています。
※東京電力エナジーパートナーの電力自由化前のプランです。
※料金は税込です。
基本料金については「電力」より「動力」の方が高い場合が多いのですが、その分電気の使用料は「動力」が割安になるため、電気をたくさん使う環境なら「動力」の方がおすすめです。
専門知識が必要な業務用エアコンの工事は安心のお店に。
コンセントについては「単相100v」「単相200v」「三相200v」で形状が異なりますが、業務用エアコンの場合、電源は室外機に直結する形になり、室内機をコンセントに差す必要がないため、通常は気にする必要はありません。
ただ、「動力」が使えるかどうかは建物の状況次第。現状の建物が対応していないようであれば、電気工事が必要になる場合もあります。
専門知識と技術をもったダイキンプロショップなら、電気工事に対応しているお店もありますので、ぜひ一度お気軽にご相談を。もちろん、業務用エアコン選びや取り付け工事についても、お客様の状況に合わせて丁寧に対応いたします。