くらし・生活

2018.07.26

エアコンの電気代「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」
冷房で節電なのはどちら?

「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」冷房で節電なのはどちら?

エアコンをつける時間が長い季節になると、気になるのが電気代。ちょっとした外出時はエアコンを切った方がいいのか?つけっぱなしの方がいいのか?と悩んでしまうものです。
夏場のエアコン利用に関する生活者アンケートを行ったところ、約7割の人が「つけっぱなしの方が電気代が安い」と考えていることがわかりました。しかし、実際に外出時にエアコンのつけっぱなしを実践している人は約5割程度。こまめに入り切りすると電気代が高くなる、というイメージは定着してきているものの、本当につけっぱなしの方が安いのか疑問を持っている方が多いようです(2016年ダイキン調べ)。
実際のところはどうなのでしょうか?検証結果をもとに、詳しくご紹介していきます。

POINTPOINT
  • 「つけっぱなし」がおトクかどうかは、時間帯や外出の長さに左右される。
  • 日中は35分まで、夜は18分までの外出なら「つけっぱなし」がおトク。
  • 設定温度を高めにして「しつど」を下げれば、快適なまま節電できる!

「つけっぱなし」がおトクかどうかは、
時間帯や外出の長さに左右される。

電卓

ダイキンでは、空気にまつわる悩み事や、素朴な疑問について継続的に調査を行っています。
ネット上で 「エアコンをつけっぱなしするのとこまめに入り切りするのでは、どちらが安くなるか」に関心が集まったことを受け、この疑問を検証!
ほぼ同じ条件のマンション2部屋を使って、それぞれのお部屋で実際にエアコンを「つけっぱなし」、「こまめに入り切り」で運転し、消費電力の違いを測定しました。

実験環境 実験環境

【実験①】
「つけっぱなし」がおトクかどうかは、
時間帯によって違う?

実験内容 実験内容

通常、エアコンが最も多く電力を消費するのは、外気温と設定温度の差が大きい運転開始直後。自転車を運転する時にこぎ始めに大きな力を使うのと同じようなイメージです。たとえば、真夏の30℃を越えるような日はエアコンの設定温度との差が大きくなり、運転開始直後の電力消費も多くなります。

ダイキンが行った実験でも、日中9:00~18:00の外気温の高い時間帯は、「こまめに入り切り」よりも「つけっぱなし」の方が消費電力が下がるという結果に。
この時間帯では外気温とエアコンの設定温度との差が大きくなり、起動時の消費電力量が増えることになります。そのため、エアコンの起動回数が少ない「つけっぱなし」の方が消費電力量が抑えられたと推測され、結果として電気代が安くなるといえます。
一方、18:00~23:00の時間帯は、日中に比べて外気温が低く、起動時の消費電力量は小さくなります。そのため、「こまめに入り切り」の方が電気代が安くなると推測されます。
ただし、消費電力は、外気温の変化や日差しなど天候の影響を大きく受けるため、条件が異なると同じようになるとは限りません。たとえば、急激な温度上昇があった場合などには、運転開始直後でなくても設定温度を維持するために消費電力が上昇することもあります。このような場合は、日中であってもエアコンを「つけっぱなし」にした方が消費電力量が大きくなり、電気代が高くなることもあります。

【実験②】
外出時でも「つけっぱなし」はおトクなの?

エアコンを切っている時間が長い場合は、起動時にかかる電力よりも、エアコンを切っていることで削減される電力の方が大きくなり、トータルの消費電力は抑えられることになります。
長めの外出も想定した今回の実験では、1日の消費電力量は「つけっぱなし」が5.7kWh、「こまめに入り切り」が4.4kWhで、「こまめに入り切り」の方が消費電力が少なくなるという結果に。電気代に換算すると、「こまめに入り切り」の方が1日で35.1円安くなります。

●1日の消費電力の違い

消費電力に大きく差がついたのが、買い物に出かけた1時間と外食に出かけた2時間で、長めの外出をした時間帯になりました。

●想定した1日のスケジュールと、エアコンを入り切りした時間

日中は35分まで、夜は18分までの
外出なら
「つけっぱなし」がおトク。

今回の実験から、外出する時刻や時間の長さを考慮せず、一様に「つけっぱなし」にする、「こまめに入り切り」する、というだけでは節電につながらないことがわかりました。
では、具体的にはどうすれば節電することができるのでしょうか。「つけっぱなし」の方が安くなる時間帯を調べた実験①に基づいて、1日を日中(9:00~18:00)・夜(18:00~23:00)の2つの時間帯に分類し、それぞれの消費電力の傾向から、何分までの外出であれば「つけっぱなし」の方が安いのかを計算しました。

●時間帯ごとのエアコンを「つけっぱなし」にしておトクになる時間 (設定温度:26℃)

あくまで今回の実験の条件下ではありますが、以下のことが推察されます。

  • ①日中は、35分までの外出であれば、エアコンを「つけっぱなし」の方が安い。
  • ②夜は、18分までの外出であれば、エアコンを「つけっぱなし」の方が安い。

これらを一つの目安として、例えば日中は30分程度の外出ならエアコンをつけっぱなしにし、夜間はこまめに停止させるといった調整を行うことで、おトクな運転ができると考えられます。
とはいえ、いくらおトクに運転できても快適性が損なわれるのは、望ましいとはいえません。エアコンを切って外出すると、温度・しつどが上昇して部屋が不快な状態に戻ってしまうことに。こうなると、帰宅してから部屋が冷えるまでしばらくの間、暑い室内で過ごすことになってしまいます。
実際に、実験②で30分の外出から帰宅した14:30の温度・しつどを計測したところ、「つけっぱなし」にした部屋が温度26.5℃・しつど69%、「こまめに入り切り」した部屋が温度27.5℃・しつど77%という結果に。「こまめに入り切り」した部屋の方が温度・しつどともに上昇していました。

●エアコンを「つけっぱなし」とOFFにして、30分外出した場合の温度・しつど

体感温度は温度としつどの両方に大きく関係するため、温度もしつども高い状態はより暑さを感じてしまうことになります。熱中症のリスクも考えると、電気代だけでなく快適性も考慮して、状況に応じて「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」を上手に使い分けるのがおすすめです。

設定温度を高めにして「しつど」を
下げれば、
快適なまま節電できる!

これまでエアコンの「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」の使い分けについてご紹介してきましたが、他の節電方法としてよく知られているのが、設定温度を下げすぎないこと。設定温度が1度違うと、消費電力は10%も違うといわれています。
ですが、高めの設定温度だと暑く感じてしまう方も多いかもしれません。そんなときは、実はしつどを下げることで同じ温度でも涼しく感じるようになります。

ダイキンでは、近年推奨されることが多い28℃のひかえめな設定温度でも、除湿をし続けることで快適に保つことを「新・28℃」と名づけ、「しつどコントロール」の大切さを提唱。この「新・28℃」を実現するのが、ダイキン独自の機能「プレミアム冷房」です。
実は従来のエアコンは、設定温度に到達すると運転が止まってしまいます。すると、温度は設定温度のままでもしつどが徐々に上がってきて蒸し暑く感じてしまうことに。
プレミアム冷房なら28℃の設定でも、除湿を続けることによって涼しさを保つことができます。

※当社測定基準による。対象機種 従来機種2014年S40RTRXPと新機種2018年S40VTRXPと同等機種(S40STRXP)との比較。当社環境試験室(14畳)、外気温29℃・外気湿度70%、風量自動、設定温度27℃で冷房運転を行い室温安定時の湿度を確認。※使用環境、運転条件、温度条件により効果は異なります。

機種によっても電気代は違う!
省エネエアコンへの買い替えも検討を。

エアコンの消費電力は、使い方だけでなく機種によっても異なります。特に、10年近く経った古い機種と最新の機種とを比べると、性能は大きく進化しており消費電力の差は歴然。また、一般的にはスタンダードな機種よりハイグレードな機種の方が省エネ性能が高い傾向があるため、ハイグレードな機種を選んだ方が長い目で見るとおトクになることもあります。

おすすめのエアコン

買い替えを検討されるなら、空調商品に詳しいダイキンプロショップにお問い合わせを。省エネ性の高い、おすすめの機種をご要望に合わせながらご提案いたします。最新機種に入れ替えれば、消費電力だけでなく快適性もグンとアップ!ぜひ、この機会に一度検討してみてください。

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